新人エンジニアに対するメンタリングで大切なこと

はじめに

今回は、未経験エンジニアをメンタリングする方法について書きたいと思います。

ご存知かとは思いますが、一応説明しておきます。
メンタリングとは、育成や指導方法の一つです。
メンターと呼ばれる指導者と被育成者であるメンティーが1対1で関係をもち、メンターがアドバイスを行なうことで、メンティーの自発的な成長を促すためのものです。

メンタリングが必要なケース

一概に未経験エンジニアといっても様々なケースがあります。

◼️新人
◼️インターン
◼️他の分野のエンジニア(新人という枠からは外れるので例外的)

新人研修の一環として、メンタリング制度を行なっている企業や、インターンを積極的に受け入れているベンチャー起業やスタートアップ企業も少なくありません。
少し例外的ですが、社内の人材不足やノウハウの蓄積などの都合で、異なる分野のエンジニアが未経験の分野の開発を行うケースもあると思います。
そういった様々なケースでメンタリング制度というものは必要になってきます。

1 on 1 のコミュニケーション

メンターは新人に対して、1対1で仕事上のアドバイスを行なったり、精神的なサポートだったりを行います。
なので、基本的には1対1のコミュニケーションが必要になります。
単純に技術的なことを教えるだけではなく、互いに向き合って接することができなければ適切なメンタリングを行うことはできません。

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例えば、新人エンジニアのメンターになったときの経験をお話しします。
私はメンタリングを始めた当初は、新人エンジニアが質問してきたら的確にアドバイスを行うことがメンターの役割だと思っていました。
しかし、数週間立っても全然実力は上がらず、新人もどこか不満げな感情がありました。
案の定、新人エンジニアから私に対する評価はあまり良くありませんでした。
聞かれたことにはすべて答えていたが、新人からは、自分から聞かないと何も教えてくれないという不満が溜まっていたのです。
質問すればなんでも教えてくれる状況というのはとてもいいように聞こえますが、新人が不満を持っていた理由としては、私が忙しそうにしていたのもあり、とても聞きにくかったということでした。本当はもっと細かいところまで聞きたかったけれど、邪魔してはいけないという感情が働き、わからない部分の半分くらいしか聞けていなかったのです。

結果として、私は向き合っていたと思っていたのに、新人にとっては向き合ってくれていないとすれ違いになっていたのです。

相互的なフィードバック

なぜ新人からの不満に気が付いたかというと、1on1ミーティングのように対面で話す機会を1ヶ月ごとに設けていました。
(最初のうちは1週間に1回とかでもいいかもしれないです。状況に応じて頻度を決めてください。)
適切な指導をするために、お互いの目的や不満を言い合う場として設けていました。

メンターから新人に向けては、
どのような技術を身につけて欲しいかという部分を明確な課題を与えてあげることができます。

新人からメンターに向けては、
指導に対する不満や、どういったことを自分に求められているのかを整理できることができます。

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不満を新人からフィードバックしてくれたおかげで、お互いのずれを修正することができました。
忙しそうにしていることで聞けないということは、1日15分必ず質問に答える時間を作りました。
そうすることで、新人もその時間までに質問をまとめておくことができるし、メンターも意識的に時間を作るようになれます。
もちろんその時間外であっても質問してはいけないということではないので、緊急性の高いものはいつでも聞いてもらって大丈夫だと伝えていました。

ちなみに、なぜ15分なのかというと、
1、新人が1日に生まれる質問を解決するために必要な時間
2、メンターとしての作業に負荷がかからない程度の時間

これらの理由から、これぐらいの時間が適切だと判断したからです。

最後に

メンタリングの最も重要な点としては、やはり相互のコミュニケーションだと思います。
お互いにコミュニケーションがとれないと、今後の仕事をやっていくにしてもうまくいきません。

新人は、メンターに対して心の中で不満を抱いていても何も解決はしてくれませんし、
メンターは、いつまでたってもあいつはダメだと同僚に愚痴っても、新人にこうなってほしいという指標とサポートをしてあげなければ思うように成長はしてくれません。

お互いに向き合うことで、よりよいメンタリング制度にしていきましょう。